《MUMEI》

「お願い、顔を上げて下さい」


「はい」


女性は申し訳ない顔をし、ゆっくり顔を上げた。


「今日はとても楽しかったです、こんなにも素敵なお店で、しかもたくさんの人に囲まれて演奏が出来たんですもの」


「陛下…」


「また来ても良いですか?」


雹里は微笑みながら聞いた。


「はい、もちろんです」

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