《MUMEI》
行かきゃダメ…だよな
午後6時半。
そろそろ家出なきゃ間に合わない。
鞄に財布と携帯だけ入れてて出掛ける事にした。
「何処行くの?こんな時間に。」
「寺田ん家。」
玄関先で母親に行き先を聞かれたから、適当に嘘をついた。こんな時間からカラオケだなんてゆったら面倒な事になりそうだし。
「…行ってきます。」
重たい足取りで家を出た。憂鬱な気持ちに追い討ちをかける様に、外はもう暗くなっていた。

電車、事故かなんかで停まってくんないかなぁ…

空を見上げながら独り言を呟いていた。

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