《MUMEI》
はじまり
「おい、何ぼーっとしてんだよ?遅刻するぞ」
そう言って、容赦なくわたしの背中を叩いたのは幼馴染みの新(アラタ)だ。

「何するのよ、痛いじゃない!」
「お前なら大丈夫」
ニヤリと笑う新にイラッとしたが、わたしだって、もう高校生だ。

寛大になるのよ自分!

「そういう新だって、ボサっとしてていいの?」
「俺、足速いもん」 ニッコリ。

確かに陸上部一の期待の新人『新』なら余裕だと思う。

でも。

「私もカナリ速いんだよ」 にーっこり。

そう言って、不意打ちでダッシュ。

新の
「知ってる」って呟きも
「あ、ずりぃっ!」って叫びも
何にも聞えないまんま。
私は風を切った。

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