《MUMEI》

「───────」

4限が終わった。

終わったけど‥。

何て声かけたらいい‥?

何て声かけたら‥。

「ぉ‥おいっ」

「───────」

「オイ、静瑠」

「‥?」

「来い、屋上」

「屋上‥?」

「いーから来い。先行ってるから」

そう言って

アタシは教室を出た。

返事は訊かなかった。

来ようが来まいが──

アイツの勝手だし。

昼休みが駄目なら‥

放課後もある。

だから

特に焦って渡す必要もないかなって。

取りあえず──

屋上行くか。

アイツが来るかは

分かんねーけど。

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