《MUMEI》

渡さなきゃ。

コイツの為に作ったんだから。

「‥‥‥‥‥‥‥」

カバンから‥

緊張気味に箱を出す。

「──珠季?」

「‥ほら」

「?」

「チョコ」

「僕にか‥?」

「ったりめーだろ」

「───────」

「いらねーのか」

「ぃゃ、そうじゃ無い」

「だったら──さっさと受けとれよ」

「──有り難う」

静瑠は

嬉しそうに笑った。

「随分と大きいな」

「型捜すの、大変だったんだぜ?」

「そうだろうね、少なくとも──専門店にでも行かない限り見つからない」

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