《MUMEI》

その後、神部は涼しい顔で瞳子さんの話に耳を傾けていた。
俺は彼を盗み見ては鳴り止まぬ鼓動を落ち着かそうと紅茶を5杯もがぶ飲みしてしまった。

ほもって……俺がだよな?

この前の七生の夢と関連があるのか、俺は……どうすればいいのか。


「私、七生さんの亡くなったお母様の誕生日にプロポーズします。」

瞳子さんたら積極的だ。


見るからに高そうなカップが割れた。
神部が落としたのだ。


「神部、怪我は無いか?」


「いけない、触らないようにしてください。今片付けさせますから」

神部は黙ったままだった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫