《MUMEI》 改めて、店内を見回してみる。 「───────」 本当のお邸みたい。 「お嬢様、お待たせ致しました」 「?」 コウキさんだ。 コト、とチーズケーキのお皿が置かれて、その隣りにはティーカップとソーサー。 「只今、紅茶をお淹れ致します」 「ぁ、──はい」 目の前で淹れてくれるんだ──。 「‥ゎ‥」 凄い‥。 コウキさんは慣れた手付きで、注いだ紅茶に薄切りレモンを浮かべた。 すると、たちまち紅茶がピンク色に。 「綺麗──」 「どうぞ、お召し上がり下さいませ」 前へ |次へ |
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