《MUMEI》
不器用な奴
『はいはい、聞いてるよ〜総ちゃん!』


『総ちゃんて、呼ぶな!』


『はいはい、そう呼んで良いのは〜隆ちゃんだけだもんな?』


『うん…世良〜お父さんって悲しいね…大事に守って育てたのに…横からかっさらわれてさ…』


…総一郎…お前、その気持ち〜気付いてないのか?それは…父性愛じゃなくて…ただの愛だろ?


隆が好きだったんだろ?お前は…馬鹿だな〜不器用な奴…。


ま〜そんなお前だから…惹かれてしまうんだけどな…ほっとけなくて…。


お前は自分では、しっかりしてるつもりだろうけど…どこか抜けてんだよな…詰めが甘いっつーか…


『世良〜寂しいよ』


『うん、よしよし』

総一郎の頭を撫でてやる。

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