《MUMEI》 「ふぅ──」 何だか、自分の家にいるみたいに落ち着く。 「お代わりを如何ですか」 「うん」 そう答えると、コウキさんはまた、ティーカップに紅茶を注いでくれた。 ソーサーから持ち上げようとして、 「‥ぁ」 ふと、ティーカップの柄に目が向いた。 「この柄──」 「お嬢様の雰囲気に、ぴったりかと」 「ぇ、私‥の‥?」 ただ空いてる物を選んだんじゃなかったんだ‥。 「ありがとう」 「──良かったです」 「ぇ」 「お嬢様が、お元気になられて──」 「───────」 嬉しい。 ──凄く。 前へ |次へ |
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