《MUMEI》

紅茶を飲みながら、コウキさんとお話をしたりしてた。

何だか──夢みたいな気分。

小さい頃から、憬れてたお嬢様。

素敵な執事がいてくれたらって、そんな事を空想してた。

でもそれは現実には有り得ない、そう諦めてたけど──‥。

ここが、私の夢を叶えてくれた。

「───────」

「ご満足、して頂けましたか」

「うん」

私は、無意識に笑ってた。

凄く久し振りに、笑ってた。

「あの──」

「はい、何なりと」

「もう1つ、ケーキをお願いしていいですか」

「──勿論でございます」

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