《MUMEI》
いや、ちょっと待てよ。
私、振り回されてる?
あんな奴の言葉、何を律義に従ってんだ。
「遅っ……」
何が待ってて、だよ!
一時間は待つじゃねえ、
修行だ!
今日に限って佳代は委員会でいないし。
「アレ、まだいたんだ。
頂戴マゼンダ。」
ルナは詫びの一つも入れずに飄々といつもの定位置に収まり、言う。
「アンタが待てっていうから待ってやったんだよ、だから用をさっさと述べて私を家に帰せ。」
やばい、堪えろ堪えるんだ
「だからぁ、マゼンダ」
両手を差し出してきた。
「……は? それだけ?」
「それ以外何かある?」
「ないねえ」
「ないよねえ」
「あはははははははは」
笑うしかねぇや。
馬鹿か?馬鹿だ!私。
「楽しいの?あはははははははははは」
「バカヤロウ。」
私はまだ差し出されていた掌をバチンと叩いた。
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