《MUMEI》 その日から、右も左も解らない家で、見ず知らずの老婆の相手をする日常が始まった………。 加奈子は、少女のような口調の老婆が不気味に思え、怖くて泣いた………。 老婆も加奈子が何故泣いているのか理解できずに泣いた………。 老婆の家族は、ちゃんと"仕事"をしろと、加奈子に怒鳴った………。 幼かった加奈子は、老婆を泣かせると怒鳴られると理解した………。 その日から加奈子は、老婆を泣かせないよう振る舞った………。 日の当たらない陰気な部屋で、来る日も来る日も同じ話を繰り返す老婆の機嫌を取った………。 折り紙、お手玉、あや取り、おはじき……… そして花カルタ(花札)……。 老婆と二人きりで、昔の玩具で遊び続ける日々が続いた………。 前へ |次へ |
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