《MUMEI》

「お決まりになりましたら、ベルをお鳴し下さいませ」

「はい‥」

それにしても‥カッコいい人──。

名前‥何ていうんだろう。

──ぁ‥そうだ‥メニュー選ばなきゃ。

「ん‥」

ケーキとか紅茶が沢山ある──。

って事はここ‥喫茶店?

さっきの人の物腰とか台詞からすると‥今はやりの──執事喫茶ってやつ?

こんな店、あったっけ。

そう不思議に思いながら、私はメニューを見つめていた。

ベルを鳴すと、さっき私を席に案内してくれた人が戻って来て、深々と頭を下げた。

「お呼びでしょうか、お嬢様」

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