《MUMEI》

「お嬢様は、とても努力をされています。ですから、あまり急がずに──時には立ち止まって、周りをご覧になってみて下さい」

「周りを‥見る?」

「はい」

「───────」

周りを見る‥か‥。

そういえば私──会社に入ってからずっと‥毎日忙しくて突っ走ってばかりだった。

ゆっくり空を見たり、紅茶を飲んだり、お喋りを楽しんだりなんて──する暇も、気力もなくて。

でも、ここで──今、それが出来てる。

窓から見える青空、美味しい紅茶、楽しいお喋り。

ここはまるで、オアシスみたい──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫