《MUMEI》

お嬢様育ちの老婆は、只の遊びでも自分が負けると機嫌が悪くなるので、加奈子はワザと負けるよう心がけた………。



加奈子は楽しくなかったが、老婆が楽しそうだったので楽しい振りをした………。



退屈かつ苦痛な日々が3年も続いた………。



やがて老婆は寝たきりとなり、自分で起き上がる事が出来なくなった………。



少し大きくなった加奈子は、老婆の身の回りの世話を押し付けられた………。



老婆の家族は、全く手を貸そうとしなかった………。



食事は勿論…排泄…身体拭き…床ズレ直し………



大きくなったとはいえ、まだ幼さの残る加奈子には、介護の仕事は重労働だった。



幼いながらも、いつか苦痛の日々から解放される日を待ち望んだ………。



そして、その日は突然やってきた………。



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