《MUMEI》

「いいのか‥? 君のだろう」

「やるって言ってんだから受けとれよ、さっさと」

「ぁぁ、有り難う‥」

「───────」

弁当の中身は平気でかっさらうくせに──

こっちから渡すとためらってる。

まぁ‥

ちょっと可愛いと思うけど。

「ん‥?」

「ぇ」

思いっきり目が合った。

「‥‥‥‥‥‥‥」

何か‥

アタシ固まってるんデスけど‥?

「おい、珠季──落とすなよ‥?」

「‥ぇ、‥!!」

あっぶね‥。

「──────‥」

ビックリしたし‥。

つーか今‥

心臓めちゃめちゃうるさい‥。

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