《MUMEI》
異変
目を覚ますと、そこは自分の部屋じゃなかった。

薄暗い、正方形の部屋に学校によくあるような椅子が二つ置いてあり、その一つに誰かが座って寝ていた。

その顔に、こんな状況ながらも安堵した。

椅子に座って寝ていたのは親友の楓(かえで)だった。


「楓!起きて!!」

「んー…。」

「楓ったら!!」

「なによー……」

楓がやっと起きて、辺りを見回した。


「…。どこ?ここ。」

「分かんない。私も目が覚めたらここにいて…。」


昨日は、楓と遊んで家に帰って寝たはずなのに…

なんでここにいるの。

目が暗闇になれてきて、やっと分かった。

ここは…私達が通っていた中学校の教室だ。

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