《MUMEI》

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「ぇ‥?」

キョトンとするのも無理ない。

いきなり、何人もの執事みたいな格好の人達に、『お嬢様』って呼ばれて迎えられたんだから。

「ぁ、あの‥」

「参りましょう、お嬢様♪」

1人が前に進み出て、私の手を引いた。

チラッと横を見ると、名札に書かれた文字が目に飛び込んできた。

【Leo】

レオっていうんだ、この子。

見た目からすると──中学生位かな。

キャラメル色のフワフワした髪が、何だか可愛く見える。

「どうぞ、こちらへお掛け下さい♪」

「ぁ‥はい、どうも──」

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