《MUMEI》
珍しく普通
(とうとうこの日が来てしまった…)


目が覚めると、ついため息が出てしまった。


(十時に来るって行ってたけど…)


いつものパターンを予想して、俺は五時に起きた。


(とりあえず、風呂…)


今晩風呂に誘われたら、断れるように、風呂に入っておく事にする。


「フー…」


(さっぱりした)


それから、台所に向かい、ゼリー飲料ではなくて、炊いておいたご飯を盛り、昨日のうちに届いたおかずを温める。


それらと、インスタントの味噌汁と、お茶をつければ、それが今の俺の普通の朝食になる。


「いただきます」


誰もいないが、普通に声に出し、黙々と食べる。


時間をかけて風呂に入ったから、この時点で時刻は六時。


(まだ、来ないな)


朝食が、終わり、着替えと支度を終えたのが七時。





(珍しく、来なかった…)


九時、五十分。


俺は、高山家合同誕生日会に参加するために、普通の時間に部屋を出た。


「「あ」」


丁度、屋代さんも出てきた。


「おはよう」

「おはようございます。よろしくお願いします」

「こちらこそ」


俺と同じで屋代さんも今年初めて合同誕生日会に招待されていた

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