《MUMEI》

「‥‥‥‥‥‥‥」

耳を澄してみたけど

何も聞こえない。

「‥気のせいか」

そう思って──

安心しかけたら。

「またかよ‥」

やっぱり‥

何かが窓に当たったみたいだ。

でも

めんどいから無視してると‥

さっきよりも音がデカくなってきた。

「〜〜〜〜〜っ‥」

何だってんだよ‥。

「だぁーッもォいー加減にしやがれッ」

ムカついて──

勢いよく窓を開けた。

‥そしたら。

「やっと開けたね」

アイツ──

静瑠がアタシを見上げて笑ってた。

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