《MUMEI》
穏やかな車中
行きの車中は至って普通。


俺以外が持ってきたお菓子を食べながら


俺以外が持ってきたCDを、順番にかけていく。


ちなみに、席順は


希先輩と、柊


俺と、志貴


そして、祐と厳が、隣同士。


(意外と、普通だな)


祐と厳は、普通に会話していた。


(あっちは…考えないようにしよう)


前を走る車の内情は、知るのが怖かった。


(あ、そういえば…)


「厳、お前盆踊りの時頼と変な事してただろ」


後ろにいる厳に確認する為に、座席に膝を立てて、後ろを向いた。


「あ、私も気になってた」


隣の志貴も同じ体勢になった。


ちなみに、前にいるバカップルと、ラブラブ夫婦には、必要最低限以外は話しかけない事にしていた。


「今更?」

「あの時は他に用があったから」


俺の言葉に志貴も頷いた。


あの時は、守と吉野の方が大事だったから。


「何したわけ? 厳」


俺達の様子を不思議そうに見ながら、祐が首を傾げた。


「んー? いつもやってる事だよ」

「いつも?」×3

「そー。俺に好きな子出来るとやるゲームみたいなもん。

クリア出来たら、本物、みたいな」

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