《MUMEI》 「……怪我は無い?」 瞳子さんが纖かな指で神部の指を包み込む。 「わあ、まるで恋人のようですね……」 「……は?」 神部ったら照れてる? ……目付き激悪いけど。 「可愛いねなんか。」 神部ったら瞳子さんが好きなんじゃないか? 「……あまりからかわないで下さいね?木下先輩…………ね?」 神部の笑いが邪悪過ぎる。 あと、気のせいかな、足が踏まれているような…… 「やあね、それを言うなら弟です。」 瞳子さんもきっぱり言うなあ。 「あ、もうこんな時間だ。木下先輩、ウチと近いですよね。送りますよ。」 ……誰か、助けて。 前へ |次へ |
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