《MUMEI》

「凄い‥」

何だろう‥この感じ。
凄く、重みを感じる。

作り手の様子が、見えてくるような。

「どうぞ、お召し上がり下さい♪」

「──はい」

フォークで、ケーキの角を切る。

──そして、ひと口。

「───────」

美味しい‥。

でも、それだけじゃない。

「お嬢様‥?」

「──幸せ‥」

無意識に、そう呟いていた。

今まで食べてきた、どんなケーキよりも、美味しいと感じた。そして、ずっとあたしが捜していた答えが、見付かった。

──気持ち。

喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたい──その気持ちが、食べる人を幸せにするんだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫