《MUMEI》
遊びの天才
「じゃあお願いします。」


「あいよ。
任しときな。」







仕事へ出かける母親に連れられ、


親戚の伯父に預けられる子どもがいた。


古田翔太。


彼がまだ、


幼少の頃へと話は遡る。








「…行ってらっしゃい。」


子どもとは思えないほど元気のない声で、


母を見送る翔太。


「…」


返事もせず、


振り向きもせず遠ざかる翔太の母。


「…」


落ち込む翔太。


その様子を見て、


話し掛ける伯父。


「ほら。
寒いから中入りな。」


「…はい。」

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