《MUMEI》 ラックの所まで来ると、 「では、只今、コートをお持ち致しますね♪」 レオはすぐに、私のコートを持って来て、着せてくれた。 「ええと──お忘れ物はございませんか?」 私が頷くと、レオは扉まで私を連れて行ってくれた。 キィ、と音を立てて、扉が開く。 「では、お気をつけて行ってらっしゃいませ。──お帰りを、お待ちしております」 「うん、ありがとう」 何だか、名残惜しいけど──またすぐに帰って来られるもんね。 「行って来ます」 私は執事達に見送られて、外へと踏み出した。 前へ |次へ |
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