《MUMEI》

カタッと音がして

アタシは横を向いた。

「‥ぁ」

静瑠‥。

「静瑠ッ!?」

「な、何だ‥急に大声を出して‥」

「ォ‥ォ‥オマエも12番引いたのか‥!?」

「ぁぁ。──ほら」

静瑠が見せた紙には‥

確かに【12】の文字。

「マジだ‥」

ヤバい──

めちゃめちゃ嬉しい。

また

コイツの隣りにいられるんだ。

静瑠の隣りに──。

「宜しく頼むよ」

「ぇ、ぉ‥おうっ」

夢みてーだ‥。

アタシらって──

ある意味強運?

「──珠季」

「‥ん」

「授業中の居眠りは控えてくれよ?」

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