《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 私──‥何だか今‥もの凄くドキドキしてる‥。 ずっと俯いてる訳にもいかなくて‥ティーカップを持ち上げようとした時。 「‥!?」 カタン、と音がして、同時に‥バシャッ、と何かが零れた。 「ぁっ‥ご‥ごめんなさい‥」 私‥紅茶を零しちゃったんだ‥。 「お召し物は大丈夫ですか?」 「──ぇ」 ビックリした。 濡れたテーブルクロスよりも‥ 私の服の事を気にかけるなんて。 「私は大丈夫‥。でも──」 「お気になさらず」 スバルさんは、私を別の席に移動させて──ケーキと紅茶を持って来てくれた。 前へ |次へ |
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