《MUMEI》

「「…。」」

二人はしばらく無言だった。

じっと落書きを見つめて、昔との違いを見つけようとした。

見つかりはしなかったが。

あの日に書いたものとまったく同じ。

なんだか気味が悪くなってきた。


「帰ろう。」

「え?」

「だから、帰ろうって言ってるの。」


あ…。

楓が髪を耳にかけてる時は、すごく緊張してる時か、強がっている時だけだ。

楓も同じ気持ちなんだ。

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