《MUMEI》

その手に抓まれた札…



―――…「桐に鳳凰」



場に桐の合い札は無く…



兼松の手札の中にも鳳凰を射落とす札は無い…。



「鳳凰」はそのまま場に据えられ、兼松の欲望に誘いをかけるかの如く、其処に鎮座し続けた…。



〆華は伏目がちに長い瞬きを一つ…



…そして徐に兼松の顔を上目遣いに見上げた…。



兼松は5秒ほど思考を巡らせ、やがて低い声で唸るように発した。



『勝負………。



…雨四光…月見・花見…タン1…タネ1……。



………20文…。』

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