《MUMEI》

公園で、ブランコを漕ぐ。

見える、暗さが落ち着く。


「ななおのばか……」

ろくな言葉も出てこない。
目を閉じている間に、全部真っ白になって今までのは夢で目を開けたら、俺だという存在は別の人間だったらいいのに。


「……帰ろ。」

七生のせいにした。
最悪だ。


『……ナンダ、起きてるのか。』

ブランコから立とうとすると真後ろから気配がした。
鈍く掠れた声、荒い呼吸。

直感でいけないものだと思ったが、体が硬直してしまう。


「……っ」

こういうとき、どうするんだっけ……
そうだ、人が居そうなとこまで走る……!

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