《MUMEI》

「ハンズアップ!!
ハンズアップ!!」


一層士気の高まる赤高。


試合が始まり7分。


この時点で赤高が3点リードする展開であったが、


これも村木の動きが冴えている為、


得点を許さない為に生まれた結果だった。


また、


ユキヒロと峰田の両45が得点を決めはじめたことも原因の1つだ。


しかし、


士気が高まった理由は対戦チームにあった。


現在赤高が試合をしているチームは、


聖龍高校Bチーム。


つまり、


聖龍高校の二軍だ。


強豪が集まる練習会に呼ばれた赤高は、


自分たちの力に少し自信を持っていた。


しかし、


慣れない環境にイラつき、


試合には勝てない。


挙げ句の果てに対戦相手は顔見知りのチームの二軍。


赤高のフラストレーションは、


良い意味でアドレナリンに変わり、


ようやく調子を取り戻しつつあった。







(何が練習会だよ…


舐めやがって…


あ〜くそ!!


中でやりてぇ…


超イラつく…)







「ナイッシュー!!」


沖のシュートが決まる。


「ディフェンスディフェンス!!」


「おぅ!!」

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