《MUMEI》

 
 真っ暗闇のなか一人、存在が確認できる人物がいる。

 その人が私と、どのような関係にあるのか、そのときは未だわからなかった。
 性別は男。それだけはハッキリしていた。

 彼の存在が夢のなかでしか確認できえないことに、どこか寂しさを覚える。

 彼はところどころに出てくる。出てきては、私と仲良く会話していたり、遠くで見つめているのだ。

 いったい誰なのだろう?

 意識が現実に戻されるたびに、私は彼のことを考え、一人もやもやとしていた。
 

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