《MUMEI》

「お嬢様、あの〜」

「?」

「お側にいてもいいですか?」

「ぁ、ぅ‥うんっ」

「もっちろん♪」

「やった!」

2人はやっぱり同時に言って、それぞれ私と薫の隣りに来た。

2人共、本当にそっくりで──名札がなかったら、どっちがどっちか見分けが付かない位。

「───────」

やっぱりどっちも可愛いなぁ──。

「‥?」

薫が──何か笑ってる。

「ぇ、私何かおかしい事した?」

「ううん、たださ──何か意外だなぁって」

「何よ意外って〜」

ふてくされたアタシを見て、薫はますますおかしそうに笑う。

そんなに笑わなくたっていいじゃん。

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