《MUMEI》

 
 私は戸惑いを隠せなかった。
 こんな特別に放送がかかるほど重大なことで、更に、さっちゃんがどこか恥ずかしそうにしていることから、私はものすごくいけないことを犯したような罪悪感を感じていた。

 体重を計ることを終え、無事教室へ戻ると、みんなが心配していた。

 今でもあのころのクラスのメンバーは好きで、あのまま中学へ上がりたかったと、何回も思ったことがある。

 しかし、そのメンバーでさえ、中学でバラバラになるのだから、きっとそれが運命なのだろう。

 中学に上がると、クラス発表が表に張り出されており、また、下駄箱へ向かうとき個々に用紙も手渡された。
 教室へ入ると、数名の顔見知りが確認でき、緊張が少しほぐれる。
 すぐさまその顔見知りたちに話しかけ、自分の居場所を確保する。
 無意識的に、そんなことをちゃんとしていた私に、少し驚く。

 入学式が行われるともあり、みんな下駄箱で付けてもらった花を胸で輝かせていた。
 未だあどけなさの残る私たちは、このあとに試練が待っているとは、予想もしていなかっただろう。

 入学式が終わり、授業というキツい勉強を強いられる環境に、私たちはストレスを感じていたのだろう。
 段々と、ほがらかな雰囲気ではなくなっていく教室。

 そのなかでも私は、そのころできた友達と自由にお喋りをしていた。
 声が大きく高いことから、きっと関係のない生徒からしたら、うるさい存在だったに違いない。

 一年のころは未だ、そのように私も、毎日のように笑って過ごしていたのだ。
 ただ、一部の男子が、徐々に輪を乱すような言動を取り始めていたのも事実であった。
 

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