《MUMEI》

***

「ぁ、ルイさん達──お疲れ様です」

「君付けでいいよ、同い年じゃん」

「そうだよヒナタ♪」

「ぃ、いえっ‥僕の方が後輩ですし、‥それに‥足手纏いになるばかりで‥」

「弱気になる事ないよ?」

「うん、ルイの言う通り♪」

「ありがとうございます──。ぁ、お嬢様方はお出かけに?」

「うんっ」

「薔薇を差し上げたんだ♪」

「また手品をやったのか‥」

「いいじゃないですかヨヅキさん♪」

「お嬢様方、喜んで下さいましたよ?」

「まぁ‥それならばいいが」

「よしっ、キラ」

「うんっ、手品の練習しなきゃだね♪」

僕らの手品が、少しでも──お嬢様方の喜びになるのなら。

僕らは、もっと、もっと喜んで頂きたいから。

だから──2人で頑張るんだ。

これからも、ずっと──。

***

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