《MUMEI》 レストラン「ペルトン」 正装した大勢の紳士淑女たち…テーブルで豪華な料理を堪能しながら歓談している その中の一つにJ クレイトンを中心にしたMP財団研究所のチームの姿があった 「ユカ…このエビとカニのムースは美味しいよ …」栄一が目を丸くしながらユカにすすめている 「こっちに来てから初めてだなぁ こんなご馳走…」 「そうよね…ずっと研究所に詰めっぱなしだったから…もうピザなんて見たくもないわ…… 」 ユカも美味しそうに料理を口に運んでいる 他の外国人スタッフも同様で皆豪華に並べらられた料理を我先にと皿に取り込んでいた そんなスタッフたちの姿を上機嫌で眺めながらワインを口にしている会長のクレイトンの傍らにはチームのリーダーでもある根元がいた 。 「ドクター根元……」 クレイトンがワインをテーブルに置き隣に座る根元に話しかけた 「 こんなに順調に抽出に成功するなんて…わたしは正直思っていなかった…… 」 根元はクレイトンの方へ身体を少し傾け、手にしていたフォークとナイフを皿に戻したらワインを一口飲み込んだ 「ミスタークレイトン…それはわたしも同じです…確かにわたしは自分の理論に自信はあった…いつかは必ず証明されると思っていました 。しかし…チャンスがなかった……すべてミスタークレイトン…あなたのおかげです 」 根元はそう言うとクレイトンの肩にそっと手をおいた 「いや……ドクターわたしの力ではありません…」 クレイトンは満面に笑みを浮かべながら大げさに両手を上げた…顔には艷のある紅色がさしていた 「ドクター根元……まさに神がくれた贈り物ですよ…… あの隕石がなかったら…あと何年…いや何十年かかっていたのか…見当はつきません 」 クレイトンの顔が更に赤くなった 「……ミスタークレイトン…あの穴を見たとき実はわたしは直感したんですよ… この隕石には何かある…とね……そして初めてあの隕石を手にしたときに…… これはロンズデーライトを超える物質を含んでいるに違いないと…… そしてすぐに試したんですよ… 」 すかさずクレイトンが笑いながら切り返した 「…あなたの大切なダイヤモンドでしょう…(笑 」 根元は苦笑しながら 「ええ……この事はワイフには永久に内緒ですよ…(笑)」 二人は肩を叩きあいながら笑いあった 突然にぎやかなレストランにムーディーな音楽が流れてきて会場の照明の色が青みを帯びてくる………すると何人かのカップルが会場のステージ近くに集まってきてゆったりと抱き合いながらチークダンスを踊りはじめた…… 。 会長のクレイトンは楽しそうに辺りを見回してからゆっくりと立ち上がり……ワインを口にしていたユカをダンスに誘った 。 まわりから大きな拍手と歓声があがった ! 前へ |次へ |
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