《MUMEI》

「ぁ、ヤバい‥もうこんな時間」

「ほんとだぁ‥」

「お出かけですか?」

「ぁ、うん──」

「ではっ」

「玄関までお連れ致します♪」

ルイ君とキラ君は、初めと同じように、私達の手を引いてくれた。

「では、コートをお持ち致しますので──」

「暫しお待ちを♪」

2人は、素早く私と薫のコートを持って来て、着せてくれた。

「お忘れ物は──」

「ございませんか?」

「うん」

「大丈夫だよ」

「ではっ、お気をつけて行ってらっしゃいませ」

「お帰りをお待ちしております♪」

2人に見送られて、私達はプレジールを後にした。

白い、綺麗な薔薇を片手に──。

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