《MUMEI》

「──ふぅ」

「紅茶のお代わりを如何ですか」

ヨヅキさんが訊いてきたから、あたしは頷いた。

「───────」

「どうぞ」

「ぁ‥、はい」

ほんとにここの紅茶、美味しい──。

自分で淹れるのとじゃ、全然違う。

‥でも、何が違うんだろう?

「お嬢様、如何なされました?」

「──ぇ」

「ぁ、す‥済みませんっ、突然お伺いしたりして‥」

ヒナタ君の慌て振りに、私は思わずクスリと笑ってた。

「謝らなくていいよ。ていうかさ、何も悪い事してないし」

「ぇ、ですが‥」

「美味しいパンケーキありがとね、ヒナタ君」

「──は、はいっ、光栄です!」

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