《MUMEI》 傍から見れば、 凄く自分が惨めな姿だと分かる。 彼等に両側から頬をパンチされ、 俺の両頬は見事なまでに膨れ上がっていた。 「ごっ、ごめんよ!」 「わ、わりぃ!」 「だ、大丈夫、大丈夫……。」 口ではそう言いながらも、 内心では彼等に対して悪態をついていた。 謝るくらいなら最初から喧嘩するなよ……。 何しろ両頬が燃えるように熱いったらこの上ない。 仕切りに両手で両頬を擦りながら痛みに耐えた。 おっと、 そう言えばすっかり忘れてた。 「はい、コレ。」 俺は彼等にボールを手渡した。 「おぉ! すっかり忘れてた。 サンキューな!」 赤い髪を逆立てた彼が、 弾ける程の笑顔を浮かべて受け取った。 「お詫びにってのも兼ねて、 一緒にサッカーしない?」 すると、 真っ白な髪を横に流した彼がそう言った。 「そうだな! それがいい!!」 「え、でも俺……。 ここのサッカー知らないし。」 それに………。 飛べないし……………。 前へ |次へ |
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