《MUMEI》

「は‥はい、でもっ、‥お皿が‥」

慌てて破片を集めようとしたヒナタ君を、ヨヅキさんが止めた。

「今箒を持って来る。お嬢様を頼んだぞ」

「は、はい‥っ」

緊張しきった様子で、ヒナタ君は答えた。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「気にしない、気にしない」

「お嬢様‥?」

「あたしなんか、しょっちゅうだよ?」

「‥僕‥執事に向いていないんじゃ‥」

「何で?」

「こんな風に‥お皿の1枚もお下げ出来なくて‥、?」

「ほら、自信持って」

「───────」

「ヒナタ君は、あたしの自慢の執事なんだからね?」

「──ぇ」

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