《MUMEI》

「あの‥、須藤君?」

今は授業中。

なんですが──‥

「───────」

須藤君、完全に寝ちゃってます。

どうしましょうか‥?

先生に見つかる前に、何とかして起こしてあげなきゃ。

となると、やっぱり──‥

「リンゴく〜ん?」

そう呼び掛けるしかないんです。

勿論、小声でですが──。

「あれ‥?」

起きません。

確かに私、『リンゴ君』って呼びましたよね?

いつもなら、須藤君はこれで確実に目を覚ますんですが──。

どうしちゃったんでしょうか?

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