《MUMEI》
――― 藤の月
4月の勝負…



先ほどの勢いのまま、一気に畳みかけたい兼松だったが…



前勝負の好手配から一変、扇形に広げられた手札の地味な色合いに、その眉間には深いシワが寄った。



無駄に年季の入ったその手に握られた札には、「藤」が2枚と「菖蒲」が3枚も混入していた。



「藤」と「菖蒲」は、こいこいの主要な役「三〜五光」「花見/月見」「猪鹿蝶」「赤タン/青タン」の構成札になり得ない…



文字通り“役立たず”の札だ。



〆華の役作りを殺そうにも、場の合札すら無い…。



『はたして…』



兼松は困ったように呟いた…。

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