《MUMEI》

***

「よう、どないやった?」

「ぁ‥、はいっ、何とか──」

「だが、逆にお嬢様に励まされてしまった」

苦笑しながら、ヨヅキさんは僕の頭を、ポンッ、と軽く叩いた。

「素質はある。後は──こいつ次第だな」

「そか──。ほなヒナタ、頑張りや?」

「は、はいっ、精一杯頑張ります!」

そう答えたら、ハルキさんは、にぱっと笑った。

「よっしゃ、その意気や」

「はいっ」

お嬢様の為にも、頑張らなくては。

お嬢様が落ち込んでらした時、今度は僕が、励まして差し上げられるように──。

***

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