《MUMEI》

お昼休みになりました。

私は須藤君と2人で、屋上に来てます。

「ぁ‥、あの、リン‥須藤君」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「須藤君?」

「‥また『リンゴ君』とか言いかけただろ」

「ゎ‥わざとじゃないんですっ、む‥無意識なんです‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ぇ‥えっと‥」

怒っちゃいましたか‥?

「‥寄越せよ、それ」

「ぇ」

「‥寄越せっつったろ、聞いてねーのか」

「は、はいっ‥どうぞ」

そうなんです。

彼──これが好きなんです。

リンゴの兎が──。

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