《MUMEI》
僕は彼に全てを打ち明けたくなった、そうすれば全て赦してもらえる気がした。
彼に近付くために探った情報、切り札がある。それで取り入る筈が、彼の反応はなんとも薄いものだった。
「だから?何、
これ以上あんたに裂く時間無いんだけど。」
横を通り過ぎていく。
僕は、眼さえ合わせてもらえないちっぽけな存在だ。
僕は咽び泣いた。
人前で恥じらいもなく彼の足に縋り付いた。
「あ、相当追い込まれてたみたいだよ。」
笑い声が聞こえた。
彼の周りにはいつの間にか人が張り付いていた。
ふわりと、目の前に神様が降りてくる。
「お前、自分がわからないのでしょう?
……してあげようか?」
薄紅色の舌先が僕の耳元で奏でる。
彼等に僕は向かい入れられた。
それから僕は全てを彼の為に捧げた。
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