《MUMEI》

兼松は、とりあえず手札にあった「紅葉のカス」で、同じ「紅葉のカス」を取る。



すると山札からの返しで、思いがけず「菊に盃」を引き当てた…。



『うぉ…!?』



男は臭い息を吐きながら薄ら笑いを浮かべる。



「盃」は場にあった「菊のカス」に重ねられ、兼松の取札に加わった。



兼松の御都合で云わせると"運も実力のうち"


…といった処だろうか…。


それは札回しの実力によるところではない、只の幸運に恵まれただけの偶然だった。



もはや場の流れは完全に兼松に味方していた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫