《MUMEI》

「俺がですか?」

「──ぁ、失礼ですよね、お忙しいのに‥」

「何を言うてはりますのん?」

「──ぇ」

「俺はお嬢様の執事やないですか」

「ハルキさん‥?」

「お嬢様のお望みやて事なら、喜んでお教えさせて頂きます」

「本当っ?」

興奮気味に訊き返したら、ハルキさんは一瞬キョトンとしてから、笑った。

「当たり前やないですか、俺はお嬢様の執事やて──言いましたやろ?」

「ぇ、ぁ‥、は‥はい」

『お嬢様』とか、『執事』とか──何だかくすぐったくなる。

でも──楽しい。

たまにはお嬢様気分っていうのも、結構いいかも。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫