《MUMEI》

彼はまるで、飛んでいるように見えた。

柔らかそうな髪は、太陽に照らされて、金色に近くなっている。肌の色も白く、薄かった。
何よりも、顔が可愛らしい。女の子と言ってもよさそうな、大きい目。優しいそうな口元。

緑のブレザーは、この学校のものではない。

「転校・・・生」

亜柚乃は、そっと首をかしげる。

天使かと、思った・・・。
その美しさにため息をつきながら、亜柚乃の顔が曇る。


「あの子・・・どこかで?」


とたんに、ケルベロスが低く唸った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫