《MUMEI》

「ぁ‥、あの、ハルキ‥さん」

「? ぁ‥すんまへんっ」

ハルキさんは、慌てて私の手を離した。

「大丈夫──ですか‥?」

「ぁ‥、はい、大丈夫──」

でも、かなり心臓が‥煩い。

それにさっきよりも、体が熱いっていうか──。

「お嬢様」

「ぇ?」

横を向くと、ハルキさんが跪いて──まっすぐに私を見てた。

「俺も‥好きになってしもたんですわ、お嬢様の事──」

「ぇ」

ほんとに‥?

ていうか──これ夢じゃないよね?

「あ、の‥」

「?」

「ほんと、に‥私──の事‥」

「──好きです」

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