《MUMEI》 「‥?」 ふと気が付いて手元を見ると、ルキアがティーカップに手を添えて支えてくれていた。 ぼんやりしていた私は、ティーカップを傾けていたらしい。 「ありがと──」 「いえ、お礼には及びません」 ルキアは、そっとティーカップから手を離して、もう1つ、マカロンを取ってくれた。 「どうぞ、お嬢様」 私がまだ何も言わない内から、ルキアは色々気を利かせてもてなしてくれる。 でも、それだけじゃなくて──。 私を喜ばせようとしてくれているみたい。 たぶんそれが、ルキアにとっても喜びなんだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |